板取川沿いの地質、露頭 その53 関市洞戸高見右岸の破断した砂岩泥岩互層の熱変成 :関市洞戸高見の北右岸の河床露頭
国道256号を北へ進み、高見地区の集落がもうすぐ終わるというところの右手に郵便局のポストがあります。近くに車を停め、ポストの横の道を川の方(東)へ80mほど進むと突き当たります。そこを左折し、150m強進むと川へ降りる小道(石と木材を置いた階段)があるので、そこを下りていきます。しばらくすると右側に家がありますが、そこを越えて川原へ下ります。正面に破断した砂岩泥岩互層の露頭があります。対岸には小さな滝が見られる場所です。
美濃帯堆積岩類中の砂岩泥岩互層は、チャートのように陸地から遠く離れ海洋底で堆積したものとは異なり、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂と泥がもとになっています。その海洋へ運ばれた砂と泥がより深い海底へ移動し、その際に粗い砂は下に堆積し、その上に細かい泥が堆積します。その堆積が繰り返されると、砂泥互層が形成され、それが固結すると砂岩泥岩互層です。ここの砂岩泥岩互層は、暗青灰色をした泥岩の中に、灰色をした砂岩が変形を受け、細長いレンズ状になっていたり、褶曲をしていたりします(破断した砂岩泥岩互層)。砂泥互層が堆積後、固結する前に外から力を受け、砂岩層が断ち切れたり変形したりしていると考えられます。
地質図において、×地点が露頭の位置ですが、白色(a)の中にあり、白色は第四紀の堆積物です。×地点の右(東)にはうす茶色(Mal)が分布していて、砂岩泥岩互層からなる地層です。第四紀の堆積物の下に分布している砂岩泥岩互層が露出しているのです。写真は五種類ありますが、上の写真は露頭を南西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの右を近づいて撮ったものです。灰色の砂岩が細長いレンズ状になっています。中下の写真は上の写真の赤枠の部分を近づいて撮ったもので、褶曲しているのがわかります。下の写真は、上の写真の露頭から上流へ(北へ)50mほど進んだところの露頭で、これも破断した砂岩泥岩互層の河床露頭です。スケールとして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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