板取川沿いの地質、露頭 その55 関市洞戸と板取の境界部に架かる板取大橋下流の砂岩泥岩互層の褶曲 :関市洞戸と板取の境界部にある板取大橋の下流側10mほどの右岸河床露頭
関市洞戸と板取の境界部に架かっている板取大橋の手前(南東側)に車を停め、川原へ下りる細い道を進みます。川原に下りてから、橋の方(上流)に向かって進むと、橋の10mほど手前に露頭があります。東西に15mほど、南北に6mほどの露頭です。砂岩泥岩互層が褶曲しているのが確認できます。
美濃帯堆積岩類中の砂岩泥岩互層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂と泥がもとになっています。その海洋へ運ばれた砂と泥が、地震動などによってより深い海底へ移動すると、その際に粗い砂は下に堆積し、その上に細かい泥が堆積します。その堆積が繰り返されることによって砂泥互層が形成され、それが固結すると砂岩泥岩互層となります。ここの砂岩泥岩互層は、淡灰色~灰色をした数cm~15cmの厚さの砂岩層と、暗灰色をした数cm~20cmの厚さの泥岩層が交互に堆積しています。そして、その互層が褶曲しています。
地質図において、×地点付近はうす茶色(Mal)、オレンジ色(Mch)、黄土色に横線あり(OK3)が入り組んで分布しています。うす茶色とオレンジ色は、美濃帯堆積物の砂岩泥岩互層とチャート層です。うす茶色に横線ありは、奥美濃酸性岩類中の火山岩類です。×地点には砂岩泥岩互層が露出しています。写真は五種類ありますが、上の写真は砂岩泥岩互層が褶曲している露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央付近を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマー付近を近づいて撮ったものです。中下の写真は上の写真の赤枠を、下の写真は青枠を近づいて撮ったものです。やや褐色をした白っぽい層は砂岩層で、暗灰色の層は泥岩層です。褶曲しているのがわかると思います。スケートして置いてあるハンマーと定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と真中の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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