県外編 その35 熊本県高森町の穿戸岩(うげといわ) :熊本県阿蘇郡高森町上色見(上色見熊野座神社の社殿後方)
熊本県阿蘇郡高森町の上色見に、高森町の四大熊野座神社の1つである上色見熊野座神社があります。その上色見熊野座神社の社殿の後方には、大きな穴が開いた岩があり、穿戸岩(うげといわ)と呼ばれています。縦横とも10m以上あるような穴です。阿蘇の大明神である健磐龍命(たけいわたつのみこと)の従者である鬼八法師が蹴破った、という伝説が残っています。かたい岩に大きな穴が開いているので、どんなに困難な目標でも必ず達成できる象徴として、合格・必勝の御利益があると評判のようです。
実際に岩を見ると、大小の角礫が多く入った火山角礫岩からなっています。火山角礫岩は、火山噴火で放出された火山灰の中に角ばった火山岩の岩片(角礫)が多く入った岩石です。角礫の量の違いで凝灰角礫岩と呼ばれる岩石もあります。中に入っている角礫は数cm~数10cm径のものが多いですが、大きいものは1m径ほどのものもあります。大雑把に観察したところでは、最大の礫は2m弱×約1mでした。自分が大学生のとき(40数年前)には、火山礫凝灰岩や凝灰角礫岩の露頭は何箇所か見てきました。火山活動によって形成された岩石であることは理解していたものの、どのようにできたものかのイメージはありませんでした。就職をして教員になり、しばらくした時に雲仙普賢岳が噴火したというニュースが毎日のように流れ、大学時代に学んだ火砕流という言葉がニュースを賑わせました。マグマが火口近くで盛り上がって溶岩ドーム(溶岩円頂丘)を形成します。その後、地下からマグマが供給されるため溶岩ドームは不安定になり、崩れて火砕流が発生しました。その崩れて火砕流となり、堆積したものが火山角礫岩や凝灰角礫岩であると理解したものです。
地質調査所(現在の産総研地質調査総合センター)が1985年に発刊した「阿蘇火山地質図」で穿戸岩周辺の地質を確認すると、新第三紀後期鮮新世~第四紀更新世火山岩類の玄武岩火砕岩で火山角礫岩及び凝灰集塊岩となっています。
写真は六種類ありますが、一番上の写真は上色見熊野座神社の参道の鳥居から社殿に向かって撮ったものです。神社の撮影ポイントだそうです。他の写真は穿戸岩を撮ったものです。上から二枚目の写真は穿戸岩を縦長に撮りました。三枚目は中央に開いた穴を中心に、四枚目は穴の左側を撮りました。下から二枚目は、四枚目の中央右に写っている角礫に近づいて撮ったものです。この角礫は約80cm×約80cmの大きさです。一番下の写真は、大きな礫が見られない部分に近づいて撮ったものです。下から二枚目、一番下の写真に写っているスケールは約15cmです。上から三枚目より下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の黒丸や白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。




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