一枚の写真から その22 関市(岐阜県)の成人学校講座を受けもつことになって

 あるきっかけで、令和8年度前期に関市生涯課主催の成人学校講座の講師を頼まれました。1回90分を4回分。一般の方を対象に、基本的には座学でできること、ということでした。1回は外へ出ることも可能ということで、関市の関観光ホテル前の川原(長良川右岸)での川原の石と露頭の観察も入れて、「長良川の石ころ観察と岐阜県の大地」という題目で4回の講座を実施することにしました。上の写真は、関観光ホテル前の川原で撮ったもので、美濃帯堆積岩類の砂岩泥岩互層の露頭が中央に写っています。

 私は大学の教育学部で地学(特に地質)を学び、中学校の教員になってからも地学分野にこだわり、研究授業は理科の先生が好んでは行わない地学を進んで行ってきました。また、時間があるときは、長良川沿いなどで見られる露頭(岩石や地層が露出しているところ)を探し、観察をしていました。そのような中で、考えていたことがありました。

岩石や地層が露出しているところ(露頭)はなかなか身近ではないけれど、岩石や地層が砕けた石ころと呼ばれるものは身近にいっぱいあります。いっぱいあるからこそ、興味をもたれないのかもしれないですが、何とか、少しでも多くの人が身近にある石ころに興味をもてるようにならないだろうか、と。教員時代も、その思いで理科の中の地学の授業を行っていました。

中規模の本屋で自然に関する図鑑を探すと、動物、植物の図鑑は数十冊あり、昆虫や樹木など種類別でも何冊もあります。しかし、岩石(鉱物も含む)は数冊しかありません。岩石や鉱物の図鑑は少ないのです。かつ、植物や動物は、写真やスケッチが載っていれば、比較してどうにか名称を知ることができます。今では、スマホのアプリで、写真を撮るだけで検索ができます。しかし、岩石の図鑑はあっても、川原など身近にある石を写真と見比べてもなかなかわからない、見かけだけで判断することがなかなかできないのです。

石は見かけではなかなかわからない、なぜでしょう。科学的根拠に基づいて名前をつけるからには、石は成り立ちに基づいて名前をつけることが重要で、実際に成り立ちに基づいて名前がつけられています。だから、成り立ちを読み解くことができなければ石の名前はわからないのです。石に残された組織などから成り立ちを読み解くことができれば、名前がわかるのです。また、特に川原にある石は、川の上流から流されてきたものなので、川の上流にないものは流れてこないです。川の上流の地質がわかっていれば、地質図があってそれを理解していれば、川原にある石の見当がつくのです。

石はそこら中にあるけれど、図鑑を見てもわからないから、興味がなかなかもてないのでしょうか。釣りが趣味の方、キャンプを張り、川原で楽しむ方など、川原の石について知りたいと思っている人はけっこう多くいるようですが。

今回の講座で正しく石について伝え、見方や調べ方を伝えることによって、より興味をもってもらうことができないだろうかと思っています。また、川原の石を通して、上流の地質(岐阜県の地質)を少しでも理解できるようにと考えています。平日の昼間に行う講座なので、年配の方が受講されることが予想されます。おそらく、時間は多くあるので、今後も興味をもち続けられるように、岩石、地質、地球科学について話題を広げることも重要だと考えています。

長良川沿いの川原で見られるチャートいろいろ

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