二枚の写真 その2 保存されている根尾谷断層と野島断層の断面
この二枚の写真は、活断層の断面を保存した展示館(屋根付き)内の写真です。上の写真は岐阜県本巣市根尾水鳥にある根尾谷断層観察館内の活断層の断面を、下の写真は兵庫県淡路島小倉の野島断層保存館内の活断層の断面を撮ったものです。上の活断層は1891年(明治24年)10月28日に発生した濃尾地震(M8 . 0)で出現した根尾谷断層、下の活断層は1995年(平成7年)1月17日に発生した兵庫県南部地震(M7 . 3)で出現した野島断層です。展示されている根尾谷断層は上下変位約6m、野島断層は上下変位約50cmであり、それぞれの地震の際に一気にそれだけ動いたということです。まさしく大地が大きく動きました。 内陸地震は、地下のひずみの解消が岩石破壊や断層のずれという形で行なわれ、その結果地表を揺らしたものです。断層が地表に現れた場合、それを地震断層と呼びます。断層のずれは、過去に断層となった場所がふたたびずれることがあり、その場合は今後もずれる可能性が高いです。それが活断層と呼ばれるものです。上の2枚の写真では活断層の断面が観察できるわけですが、このことについて専門家が意見を述べてみえるので一部を抜粋します。 「……断層崖を掘削してその地下にある断層を観察することは、近年、地震予知研究のために、各地の活断層を対象に行なわれている。……水鳥の断層崖の場合、そのような掘削を行なえば、断層崖を観察に訪れた人々は、さらに、その地下の断層の形態やそれによって切断され移動した地層の状態も一緒に観察できる。見学の効果は何倍にもなるであろう。しかし、地下の断層を常時観察できるように維持管理してゆくことは、容易ではない。絶えず湧き出てくる地下水、風雨によって崩れてゆく壁面、壁面を損傷しないで大勢の人が安全に観察できる設備等々の必要を考えると、その壁面を覆う屋根をもった立派な建造物が必要である。それが大規模であればあるほど、それが水鳥の断層崖とその周辺のすばらしい自然景観を損なう怖れが大きくなる。しかも、その掘削予定地は、天然記念物として保護指定されている断層崖そのものである。つまり、このような断層崖の掘削は、それ自体、断層崖に対する破壊行為であるともいえる。」 これは、以前「一枚の写真からその1根尾谷断層(水鳥の断層崖)と樽見鉄道」の中で一部抜粋した「地質ニュース 464 号( 1993...