板取川沿いの地質、露頭 その7 美濃市蕨生西屋敷の砂岩層 :美濃市蕨生西屋敷の左岸露頭

 美濃市から関市洞戸に向かう県道81号美濃洞戸線で、片知川を越えて1.3kmほど進むと、左に蕨生大橋があります。そこを渡らずに県道81号をそのまま700mほど進むと、北から流れている矢坪谷を渡る小さな橋(和紙橋)があります。近くに車を停め、橋の手前から川原に下り、上流(西)へ150mほど進むと板取川左岸に岩石が露出しています。東西に40mほど、南北に30mほどの露頭です。美濃帯堆積岩類の砂岩層です。この露頭は、2020年11月19日「板取川沿いの岩石その4」でも紹介しています。

美濃帯堆積岩類中の砂岩層は、河川によって陸地から海洋へ運ばれた砂がもとになっています。陸地から離れた海洋で噴出したり堆積したりした玄武岩質火山岩類、石灰岩、チャート、珪質泥岩などが、海洋プレートにのって陸地側へ移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加しました。その際に、陸地側から海洋へ運ばれた砂(砂層)も一緒に付加しました。そして、その砂(砂層)が固結し、美濃帯堆積岩類中の砂岩層となりました。ここで見られる砂岩層は、おもに中粒の砂粒からできていて、細粒の砂粒も一部には見られます。全体的には灰色です。また、割れ目があり、いくつかの面を構成しています。走向、傾斜を測ったところ、北北西-南南東~西北西-東南東を走向として、西南西~南南西に40°~45°の傾斜面が多く、北東を走向として、北西に45°の傾斜面もあります。

 地質図において、×地点が露頭の位置ですが、白色(a)の中にあり、白色は第四紀の堆積物です。周囲は黄色(Mss)が広く分布していて、おもに砂岩からなる地層です。第四紀の堆積物の下に分布している砂岩層が露出しているのです。写真は五種類ありますが、上の写真は西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央少し右を撮ったものです。真中の写真は上の写真の露頭を北北西(左側)からパノラマで撮ったもので、中央付近を撮ったのが中下の写真です。下の写真は砂岩を接写したもので、写真の縦は3cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上と中下の写真は、同じような写真が2枚並んでいますが、写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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