長良川本流沿い露頭編 その20 美濃市横持左岸のチャート石灰岩互層とその褶曲 :美濃市横持左岸露頭

 「長良川本流沿い露頭編その18」で紹介したように、美濃市横持の長良川沿いにはチャートと石灰岩が交互に積み重なっているチャート石灰岩互層が見られますが、その露頭から北北西に数100m離れた場所にもチャート石灰岩互層が見られます。ここでは、チャート石灰岩互層が褶曲しているのが確認できる露頭もあります。以前も書きましたが、石灰岩は浅い海で形成し、チャートは深い海で形成します。そして、石灰岩は深い海だと溶けてしまい形成されません。このようにチャートと石灰岩は、形成条件が全く違うため、チャートと石灰岩が積み重なるように見える産状や、チャートの中に石灰岩が入っているように見える産状の形成過程は正確にはわかっていないようです。

地質図では、チャート石灰岩互層が見られる×地点の周辺は西北西-東南東にオレンジ色(Mch)が分布していますが、おもにチャートからなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真はチャート石灰岩互層の露頭を北からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真のハンマーの下の部分を近づいて撮ったものです。白く見えるのが石灰岩層で、他はチャート層です。石灰岩層もチャート層も層の厚さは一定ではなく、厚くなったり薄くなったりしていますが、石灰岩層は5~12cmほど、チャート層は3~7cmほどの厚さのものが互層しています。中下の写真は、上の写真の場所から北東へ7mほどの露頭を南から撮ったもので、地層が褶曲しているのがわかります。下の写真は、中下の写真の中央右を近づいて同じく南から撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、シャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。中上と真中、中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)








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