長良川本流沿い露頭編 その40 美濃市上河和左岸の層状チャート中の漣痕 :美濃市上河和左岸露頭

   前回の「長良川本流沿い露頭編その39」で紹介した甌穴露頭の数m北に、層状チャートの層理面(チャートの堆積面)が水平に近い状態で露出しています。この層状チャートでは、チャート層の間に挟まれる泥岩層はほとんどなく、水平に近い層理面が露出しているため、チャートの堆積面の様子が見られます。層理面の表面には高さ5mmほどの線状の凸凹模様がいくつもあります。その線状の高さ5mmほどの出っ張りは何本もあり、ほぼ平行に並んでいます。そして、その線と線は数cmの幅で、細かい波のような模様をつくり出しています。この模様は水に動きがあるためにできる漣痕と思われます。この痕跡が見られるのは、東西に約3m、南北に1.3m~1.7mの範囲です。

地質図において、この露頭が見られる×地点は灰色(Mmx)が占めていて、メランジュからなる地層です。メランジュは、前回も書きましたが、黒色の泥岩の中に砂岩やチャートなどの大小さまざまな岩塊が入った地質体です。そのため、この露頭はチャートの大きな岩塊の一部だと思われます。写真が四種類ありますが、上の写真は漣痕と思われる露頭を西からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。複数の平行な線状の凸凹は、見た目西北西-東南東~北西-南東を向いています。中下の写真は上の写真の中央部を北から撮ったものです。三種類の写真に写っている黄色のスケール(折尺)は1mです。下の写真は、上の写真の中央右上の部分を近づいて北から撮ったものです。スケールは約20cmです。中上と中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より)






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