長良川本流沿い露頭編 その50 美濃市と美並町境界付近左岸の混在岩、玄武岩質溶岩(枕状溶岩) :美濃市と郡上市美並町境界付近左岸露頭(国道156号沿いの中華料理店裏の対岸付近)

   美濃市と郡上市美並町の境界付近には、メランジュからなる地層の中に巨大な岩塊として玄武岩質溶岩が含まれています。「長良川本流沿い露頭編その47、48」とは別の岩塊として、国道156号沿いの中華料理店裏の対岸(左岸)付近に玄武岩質溶岩が露出しています。この露頭では、混在岩と玄武岩質溶岩が接していて、枕状溶岩と思われる玄武岩質溶岩が見られます。また露頭の上部には、玄武岩質マグマが水によって急冷し破砕して固まった岩石(ハイアロクラスタイト)も見られます。混在岩は、基質である黒色泥岩の中におもに1cm~10cm径の砂岩の礫が点在しています。礫で大きいものは、径が30cmを超すものもあります。

地質図において、この露頭地点(×地点)は緑色(Mbs)と灰色(Mmx)のほぼ境界部です。緑色は緑色岩(玄武岩質火山岩類)からなる地層で、灰色は(Mmx)はメランジュからなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は混在岩と玄武岩質溶岩が見られる露頭を南からパノラマで撮ったもので、右側には混在岩が、左側には玄武岩質溶岩が分布します。中上の写真は上の写真の中央少し左側を撮ったもので、ハンマーの柄の下は黒っぽく見えますが、混在岩です。真中の写真は中上の写真の中央少し左を、中下の写真は中上の写真の左下をそれぞれ近づいて撮ったもので、楕円形およびくずれた楕円に見えるのはいずれも枕状溶岩です。下の写真は露頭の上部を近づいて撮ったもので、角ばった玄武岩質溶岩がいくつも入っていますが、水冷によって破砕されてできた岩石(ハイアロクラスタイト)です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







コメント

このブログの人気の投稿

長良川鉄道沿いの地形・地質編 その45 「ジオ鉄」って何?

都市(名古屋)で見られる化石 その14 :アンモナイトの化石の断面とドーナツの断面

都市(名古屋)で見られる化石 その7 :名古屋駅近辺ミッドランドスクエア3階の壁の厚歯二枚貝、柱のサンゴ