長良川本流沿い露頭編 その72 美並町根村の混在岩と層状チャート :郡上市上田根村左岸露頭

   昨年の10月19日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その4」で紹介した混在岩と層状チャートの露頭を再度紹介します。前回の「長良川本流沿い露頭編その71」で紹介した露頭の数100m上流左岸にあたります。前回同様、美並町根村にある接骨院の先を右折して、そこから50mほどをもう一度右折します。支流沿いを東へ進むと橋が右手にありますが、そのまま70mほど進むと左に曲がります。そこから北へ約200m進むと河原へ降りる階段があります。その階段下に混在岩の露頭があります。

混在岩は美濃帯堆積岩類などの付加体堆積物に特徴的な岩石で、黒色の泥岩の中にチャートや砂岩などの大小の礫(岩塊)が入った岩石です。この露頭では、黒色~暗灰色の泥岩の中に、径が数cm~数10cmの灰色~暗灰色の砂岩が入っています。北へ30mほど進んだところには、層状チャートが露出しています。この層状チャートは、淡緑灰色~暗青灰色をした数cm~7cmの厚さのチャート層の間に、淡緑灰色をした数cm~5cmの厚さの泥岩層がはさまっていて、泥岩層が厚いという特徴があります。また、層状チャートの露頭からさらに北へ20mほどのところには、チャートに貫入岩が入っている露頭も見られます。

地質図において、この露頭がある×地点は灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。南と北には、おもにチャートからなる地層(オレンジ色(Mch))が分布しています。写真が五種類ありますが、上の写真は混在岩の露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、中上の写真の露頭から東へ5mほどのところにある混在岩を近づいて撮ったもので、灰色に写っている礫(岩塊)は砂岩です。中下の写真は、中上の写真の露頭から北へ30mほど進んだところにある層状チャートの露頭を南から撮ったものです。下の写真は層状チャートを近くから撮ったもので、チャート層と泥岩層の厚さがほぼ同じであることがわかります。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と真中、中下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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