長良川本流沿い露頭編 その77 美並町大矢の混在岩と層状チャートの岩塊 :郡上市美並町大原大矢左岸河床露頭(下田橋下流250mほど左岸)

   昨年の9月9日「長良川沿いのメランジュその4」、10月20日「長良川鉄道の車窓からみた岩石その6」で紹介した下田橋下流左岸の混在岩と層状チャートの岩塊の露頭を再度紹介します。混在岩は、美濃帯堆積岩類のように海洋プレート上に堆積したものが移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加するといった付加体堆積物に特徴的な岩石です。基質である黒色の泥岩中に、大小さまざまの砂岩やチャートなどの礫(岩塊)を含む岩石ですが、現地で眺めている露頭全体が混在岩を構成している一つの岩塊で占めているということもあります。ここの露頭では、南東-北東に6mほど、南東-北西に11m以上の層状チャートの岩塊が混在岩の中にあり、混在岩と層状チャートが接しているのが確認できます。また、この混在岩と層状チャートの岩塊が接している露頭の西側に、層状チャートと貫入岩が接している露頭もあります。昨年の9月9日「長良川沿いのメランジュその4」において、掲載した下の写真の説明として「チャートと砂岩が直接接しているもの」と書きましたが、間違っており砂岩ではなく貫入岩です。訂正させていただきます。この貫入岩は南側では黒色泥岩を基質とした混在岩とも接していて、貫入しているのがわかります。

地質図において、この露頭のある地点(×地点)の周辺は灰色(Mmx)が分布していて、メランジュからなる地層でできています。北側にはチャートからなる地層が分布していて、長良川鉄道はそのチャートからなる地層をトンネルで通過しています。写真が四種類ありますが、上の写真は層状チャートの岩塊と混在岩が接している露頭を南東からパノラマで撮ったもので、中央の白っぽい部分が層状チャートで、左側のやや黒っぽい部分が混在岩です。中上の写真は、上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は同じ露頭を南西からパノラマで撮ったもの(上の写真を左側から撮ったもの)で、黒っぽい岩石が混在岩です。左側には貫入岩が写っています。中下の写真は、真中の写真の中央部を撮ったものです。下の写真は、真中の写真のハンマー頭部の左側を近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と中下、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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