長良川本流沿い露頭編 その104 八幡町浅柄・貝付の間右岸の石灰岩 :郡上市八幡町西乙原浅柄・貝付の間右岸露頭(浅柄の大浅谷合流部上流400mほど)

   前回「長良川本流沿い露頭編その103」でも書きましたが、八幡町浅柄の大浅谷の長良川との合流地点から、北(上流)へ向かって200m弱~400m強には石灰岩がところどころで分布しています。大浅谷の合流地点から上流へ400mほどのところに石灰岩の露頭があり、その露頭にはフズリナが入っているのがわかります。

美濃帯堆積岩類の中の石灰岩は、大昔のサンゴ礁が海洋プレートによって運ばれ、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものであることがわかっています。また、石灰岩の中に入っているフズリナは、古生代石炭紀~ペルム紀に栄えた生物で、紡錘形や球形などをしています。ここで見られるフズリナは調査研究がなされていて、古生代ペルム紀中期のもののようです。

ここの石灰岩の露頭も前回紹介した石灰岩と同様に、玄武岩質火山岩類の中に岩塊としてはさまれたもので、小規模であるため地質図には表現されていません。石灰岩の露頭である×地点は緑色(Mbs)の中にあり、緑色はおもに玄武岩質火山岩類(緑色岩)からなる地層です。写真が五種類ありますが、上の写真は石灰岩の露頭を東からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、中上の写真(または上の写真)に写っているハンマーの左側を近づいて撮ったものです。中下の写真はフズリナが入っているのがわかる場所を接写したもので、写真の縦は4cmです。下の写真は、同じ露頭内で玄武岩質溶岩と接触している部分を南から撮ったものです。ハンマーを含めて上部の黒っぽい岩石は玄武岩質溶岩で、下部の白っぽい岩石は石灰岩です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)






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