長良川本流沿い露頭編 その140 八幡町五町の北左岸の石英斑岩 :郡上市八幡町五町の北左岸露頭(郡上漁業協同組合遊漁証取扱所の対岸)
郡上八幡町五町に架かっている報徳橋から北へ向かって、県道61号(右岸沿い)を600mほど進むと、長良川沿いに郡上漁業協同組合遊漁証取扱所があります。その対岸に白っぽい岩石が露出しているのが見えます。その露頭に近づくには、報徳橋まで戻って近くに車を止めて、五町にある公園(遊具あり)の西を北へ進み、河原へ下り、上流に向かって進みます。露頭は石英斑岩で、東西に10mほど、南北に7mほどが露出しています。
ここで見られる石英斑岩は、淡緑灰色~淡褐灰色をしていて、1mm前後の石英とカリ長石が点在しています。また、1cm~5cm径の捕獲岩が点在している部分があります。捕獲岩は砂岩や泥岩だと思われます。捕獲岩(ゼノリス)は、火成岩に含まれる異種の岩石片のことです。マグマが上昇してくる途中で周りから取り込まれたもので、マグマの熱によって変成している場合が多いです。
地質図において、この石英斑岩の露頭がある×地点は、黄色(Mss)である砂岩の中にあります。石英斑岩は小規模であるため表現されていないようです。しかし、×地点の北や南には濃いピンク色(Okg)が分布し、濃いピンク色は奥美濃酸性岩類の岩脈で、美濃帯堆積岩類に貫入している岩石です。この露頭の石英斑岩も同じ貫入している岩石(奥美濃酸性岩類の岩脈)だと思われます。写真が五種類ありますが、上の写真は石英斑岩を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。真中の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの左を近づいて撮ったものです。中下の写真は、上の写真(または中上の写真)に写っているハンマーの左少し離れたところを撮ったもので、スケールの右側に2~3cm径の捕獲岩(ゼノリス)が2個写っています。写っているスケールの長さは19cmです。下の写真は石英斑岩の割った面を接写したもので、写真の縦は2.5cmです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。中上の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP 「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
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