長良川本流沿い露頭編 その176 白鳥町上切の軽石凝灰岩と甌穴(白鳥流紋岩) :郡上市白鳥町二日町上切のつり橋下の左岸河床露頭

 一昨年の10月8日「長良川沿いの白鳥流紋岩その4」で紹介した白鳥町上切のつり橋下の左岸河床露頭を再度紹介します。白鳥町二日町上切に長良川鉄道の白鳥高原駅があります。その駅の北側に東西に道路が通っていますが、国道156号線を東に曲がってその道路を東へ進むと、突き当りにつり橋が架かっています。近くに車を周辺に止め、つり橋を渡って川へ下りると、橋のほぼ下に岩石が露出しています。郡上市白鳥町二日町につり橋が二ヶ所で架かっていますが、その北側のつり橋です。

白鳥流紋岩は、濃飛流紋岩のように火砕流堆積物からなっていて、多くは溶結凝灰岩ですが、溶結していない凝灰岩も分布しています。ここの露頭は、川の水に洗われていてきれいな表面も見えます。そのような表面を見たり、ハンマーなどで岩石の表面を割って見たりすると、1cm以下の淡緑灰色~灰色の不定形の軽石が入っているのがわかります。つぶれてレンズ状になってはいないので、溶結はしていないと思われます。軽石が点在し、溶結していない凝灰岩ですので、軽石凝灰岩と記述しておきます。また、ここの露頭では径が数10cmで、深さが10cm~30cmの甌穴がいくつも見られます。

地質図において、この軽石凝灰岩の露頭(×地点)は、黄土色で横線あり(SR)の中にあって、黄土色で横線ありは白鳥流紋岩火山岩類です。写真が五種類ありますが、上の写真は軽石凝灰岩の露頭を南からパノラマで撮ったもので、中上の写真は上の写真の中央部を撮ったものです。ハンマーの右に写っているのは甌穴の断面とみられ、径が37cm、深さ30cmほどです。ハンマーの上部少しはなれた左にある甌穴は、径が40cm×35cmで、深さが25cmです。また、ハンマーの左斜め上少しはなれたところにある甌穴は、径が30cm×20cmで、深さが18cmです。真中の写真は、甌穴の見られる部分を西から撮ったものです。ハンマーの左に写っている甌穴はほぼ円形をしていて、直径が24cmで、深さが22cmです。中下の写真は軽石凝灰岩の表面を撮ったもので、緑っぽく写っているのが軽石です。下の写真は軽石凝灰岩の割った面を接写したもので、写真の縦は4cmです。スケールとして置いてあるハンマー、定規の長さは、それぞれ約28cm、約17cmです。中上と真中の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)







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