一枚の写真から その24 「ジオ(Geo)」が世の中により広がることを願って

 

上の写真は、今から13年前に出版された「観光地の自然学-ジオパークでまなぶ- 小泉武栄 古今書院」の表紙と目次の一部を撮ったものです。「はじめに」に次のことが書かれてあります。

「有名な観光地に行くと、観光客にガイドが何か説明していることがよくあります。ただ、そのほとんどがそこの歴史に関するものか、「あの岩は獅子岩といいます」といった……。目の前に雄大な景色が展開しているのに、そのでき方についての解説などないのが普通ですし、不思議な地形を見て、なぜこんな地形ができたのかという説明もありません。珍しい植物があっても、ただ名前を教えてもらってそれでお終いです。…」この本は2013年に出されたものなので、現在とは状況が少し違いますが、観光地の大地のでき方や、地形と地質の関わりについてより、歴史に関するものや名称についての説明が多いというのはその通りだと思っています。ただし、最近はジオパークについての理解も進み、特にジオパーク内ではその場所の成り立ちや背景についての説明がなされています。

ジオパークの「ジオ(Geo)」は、ギリシャ語の「大地」や「地球」を意味する接頭語です。観光地にジオが関わっていることは多いです。でも、その観光地が地球の歴史の中のどこでどのように形成されてきたものなのか、それが地形・地質的に何を意味しているかなど、知らないことが多いのではないでしょうか。

この本の「おわりに」に書かれてありますが、「この岩はなぜここにあるのだろうか、この海岸のこの岩はなぜこんな形をしているのだろう、この滝はどうしてできたのか、ここに砂丘があるのはなぜ、この植物はなぜここに生えているのだろう。」これらの視点が重要だと思うのです。観光地は、自然、歴史、文化の背景があって成り立っていて、その理解が重要です。「おわりに」にはこのようにも書かれてあります。「…残念なことに日本人は、学校教育で、たとえば氷河時代のことや動植物の分布、自然景観の成り立ちといった、自然史について学ぶことがほとんどありません。このため、身のまわりの自然や景観がどのようにしてできたかという点について、ほとんど知らないまま大人になっています。…」身のまわりの自然や景観は、地形・地質に裏打ちされたものが多いのです。

自分がブログ「美濃地質」で、県外編を書いているのも、上記のように考えているからです。自分が観光地に行き、自然の景観を見た時、地形・地質の視点で眺め、少しでもジオの視点で書けないだろうかと、県外編を作成しています。

「観光地の自然学」で最初に紹介されている伊豆半島の大室山


コメント

このブログの人気の投稿

都市(名古屋)で見られる化石 その5 :名古屋駅タワーズプラザ12階レストラン街+α

都市(名古屋)で見られる化石 その6 :名古屋駅近辺ミッドランドスクエア1階

都市(名古屋)で見られる化石 その7 :名古屋駅近辺ミッドランドスクエア3階の壁の厚歯二枚貝、柱のサンゴ